「室内アンテナの方が簡単に設置できて楽だよね」
「でも室内アンテナだと映りが悪いって聞くけど……」
テレビをみるにはアンテナが必要ですが、できればお手軽な室内アンテナで済ませたいと考える人も結構いらっしゃいます。
しかしその反面、映りが悪いのを心配する声も多いようですね。
今回「ベストアンテナ工事」が、
- 室内アンテナと室外アンテナの違い
- 室内アンテナ取り付け業者の選び方
- おすすめの室内アンテナ
などについて詳しく解説していきます。最後まで読めば、自分が室内アンテナを選ぶべきかどうかを判断できるようになっているはずです。
室内アンテナと屋外アンテナはどこが違う
地デジアンテナには大きくわけて下記の3種類あり、①形状 ②設置箇所 ③性能で区別されています。
- 八木式アンテナ(室外・室内)
- デザインアンテナ(室外・室内)
- 室内アンテナ(室内のみ)
①形状
テレビアンテナといえば、多くの人が魚の骨みたいな形をしたアンテナを、思い浮かべるのではないでしょうか。これは「八木式アンテナ」とよばれ、テレビが出始めたころから現在まで長い間使われ続けています。
デザインアンテナと室内アンテナは、どちらも薄型長方形パネルタイプが一般的です。また室内アンテナには、卓上型や壁に貼り付ける「ペーパータイプ」もあります。
②設置箇所
八木式アンテナとデザインパネルは、基本的に室外へ設置します。ただし、見栄えの問題から室外設置を避けるケースも多く、特にデザイアンテナは屋根裏設置を希望する方が多いです。
室内アンテナは文字通り室内に設置しますが、電波の受信状況によって、置く場所に制限が出る場合もあります。
③性能
単純に電波の受信感度を比較すれば、八木式アンテナがもっとも性能がよく、室内アンテナが一番弱いです。
基本的に室内アンテナは、電波の強い「強電界エリア」で使われることを前提につくられています。「室内アンテナはどこでも使えるわけではない」ということをしっかりと頭に入れておいてください。
電界については、のちほど詳しく説明します。
室内アンテナのメリット・デメリット
前述のとおり、条件が合わなければ、室内アンテナは設置できないケースも少なくありません。せっかく購入したのに使えなかったということのないように、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解しておきましょう。
【室内アンテナのメリット】
- 価格が安い
- 自分で取り付けが可能
- メンテナンスが楽
- 天候の影響を受けない
- 景観を損ねることがない
室内アンテナ最大のメリットは、なんといっても「安い」ことに尽きるでしょう。室外アンテナは、どうしても万単位の費用がかかります。対して室内アンテナなら、高くても7,000〜8,000円程度です。
また取り付け業者に頼む工事費用も必要ありませんから、コスト面では間違いなく室内アンテナに軍配が上がります。
【室内アンテナのデメリット】
- テレビが映らない場合がある
- 映像が乱れやすい
- アンテナ設置の場所が限定される
- テレビの台数分購入する必要がある
デメリットは、「地デジを受信できるとは限らない」という一言に集約されると思います。前述のように、基本的に強電界以外では利用できないものだと考えてください。
知っておきたい室内アンテナの性能について
地デジアンテナの性能には、「動作利得」「素子数」「電界強度」という3つの要素が大きく関係してきます。どれかひとつ突出していればいいわけではなく、3つの要素のバランスがとても重要です。
動作利得・素子数・電界強度
- 動作利得
動作利得とは、簡単にいえば「受信感度」のことです。単位はdB(デシベル)で表示され、数値が大きいほど受信感度が高いことになります。最低でも、強電界エリアで3〜5dB以上の能力は必要です。
- 素子数
わかりやすくいうと、八木式アンテナの骨のような棒状の部分が「素子」です。素子数が多いほど動作利得が高くなる性質がありますが、室内アンテナはおおよそ4〜8dBしかありません。室外アンテナの平均20dBに比べると、性能的には正直かなり劣ります。
- 電界強度
電界強度は、電波の強さを表す言葉で、電波の強い順に①強電界(80dB以上)②中電界(70dB以上)③弱電界(60dB以上)という3つのエリアに区別されています。室内アンテナは「強電界用」といったように、エリアごとに選べる商品が決まっていますので注意が必要です。
指向性
アンテナの三大要素「動作利得・素子数・電界強度」についてざっと説明しましたが、そのほかにも重要な要素がいくつかあって、「指向性」もそのひとつです。
指向性は素子数と密接な関係があり、素子数が多いと利得が高くなりますが、指向性が狭くなります。八木式アンテナは素子数が多いので、電波を受信しやすいのですが、非常に指向性が狭いです。
したがってアンテナの方向をしっかりと設定しないと、電波をまったく受信しないこともありえます。
反対に室内アンテナは指向性が広く、アンテナの向きが多少ずれても受信に影響はありません。しかしその分、遠くの電波(弱電界)は受信できないという欠点があります。
ブースター内蔵の有無
室内アンテナにブースター(増幅器)が内蔵されているかどうかも、重要なポイントです。室内アンテナの素子数は通常4〜8dB程度しかありませんが、増幅器で弱い電波を増幅できれば、映りが改善される可能性もあります。
ただし、電波と一緒にノイズも増幅してしまう場合があるので、利用の際にはできるだけ専門家に相談した方がいいと思います。
室内アンテナ取り付け業者の選び方
ここでは室内アンテナ設置を専門の取り付け業者に依頼する場合について、お話していきます。「室内アンテナは自分で取り付けできるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、一概にそうともいえないケースがあるのです。
室内アンテナは自分で取り付けが可能
基本的に、室内アンテナの取り付け方法は非常にシンプルですから、取扱説明書をみながらおこなえば、誰でも問題なく設置できるでしょう。
また下記のポイントに注意して取り付ければ、より映りがよくなる可能性が高くなりますので、意識して取り付けをしてみてください。
- 電波を一番受信しやすい方向にアンテナを向ける
- できるだけ窓際に設置する
- できるだけ高い位置に取り付ける
室内アンテナが使えないケースも。まずは取り付け業者に相談
弱電界エリアでは、基本的に室内アンテナは利用できないと考えておいてください。弱電界に対応可能なアンテナもありますが、もちろん価格は高くなりますし、買ってはみたものの、結局使えないという笑えない状況も十分にありえます。
また建物がRC造(鉄筋コンクリート)だったり、格子つき窓だったりすると、室内アンテナがうまく機能しない場合もあります。
いずれにせよ、せっかく室内アンテナを購入したのに利用できないというリスクを避けるためにも、一度専門業者に相談することをおすすめします。
おすすめの室内アンテナ
最後にふたつほどおすすめの室内アンテナをご紹介します。
【強電界専用】DXアンテナ US120AW
参考:DXアンテナ US120AW受信チャンネル | 13~52ch |
寸法(高さ×幅×奥行mm) | 205×85×85 |
重量(kg) | 0.17 |
対応電界(kg) | 強電界 |
総合利得(ブースター込) | 15~20dB |
ケーブル長さ | 1.5m |
ケーブルの長さが1.5mということもあり、テレビのすぐ近くに設置する強電界専用の室内アンテナです。高さわずか20cm、重さ170グラムというコンパクトさが人気の秘密。色もホワイトとブラックが選べるので、お部屋の雰囲気を壊すことがありません。
小型ながらブースター内蔵なので、受信性にも定評があります。
【強・中・弱電界対応】日本アンテナ UDF85B
参考:日本アンテナ UDF85B受信チャンネル | 13~52ch |
寸法(高さ×幅×奥行mm) | 431×270×61 |
重量(kg) | 1.8 |
対応電界 | 強・中・弱電界 |
総合利得(ブースター込) | 23~28dB |
ケーブル長さ | 別売り |
さきほど紹介した「 US120AW」は強電界専用でしたが、こちらは「強・中・弱電界」どのエリアでも取り付けが可能です。その分サイズはかなり大型になりますので、状況に応じてベランダや外壁に取り付けてもOK。
もし設置箇所が中電界エリアであれば、ブースターなしのバージョン「 UDF85」でも問題ないでしょう。
さて今回は室内アンテナについて解説をしてきましたが、室内アンテナの選び方や失敗しない取り付け方法をしっかりとご理解いただけたと思います。
室内アンテナはたしかに手軽で便利ですが、常に「画像不良」、もしくは「映らない不安」を抱えることになります。知識と技術を持つアンテナ取り付け専門業者に、ぜひ一度相談してみてください。