一番身近なアンテナと言えば、テレビの受信アンテナではないでしょうか。よく見かける屋根の上に取り付けられているものは魚の骨のような地デジアンテナ(八木式アンテナ)と、お皿型のアンテナ(BSアンテナ)かと思います。今回は地デジアンテナについて、その仕組みの基本的なところをピックアップして解説します。

どうして“八木式”と言うの?八木式アンテナのルーツ

まず、魚の骨の形のようなアンテナは、八木式アンテナと呼ばれています。このアンテナは日本人の名がついていることからもわかるように、日本で発明されたものです。大正時代に東北帝国大学(現在の東北大学)工学部電気工学科教授の八木秀次氏と講師の宇田慎太郎が発明した「八木・宇田アンテナ」がルーツとなっています。 この記事を書いているちょうど2年前の平成28年1月28日はそのアンテナのルーツとなった八木氏生誕130周年で、その日のGoogleのロゴデザインにも採用されていました。

八木式アンテナの各部の名称

「魚の骨」のうち細い方の棒はアルミニウム製で、素子と言います。アンテナとして機能する「導波器」や「反射器」などの棒(エレメント)を総称して「素子」と呼び、素子数が多いほど、電波の受信感度が良くなり、例えば、「八木式アンテナ20素子」であれば20本の素子があり、「八木式アンテナ26素子」の方が受信感度が良いということです。
導波器
電波を呼び込むためのものです。
反射器
前方からくる電波をより強力に受信するためのものです。
同軸ケーブル
電波が素子に乗り電流が流れ、その電流をテレビに届けるためのケーブルです。
この受信アンテナを送信アンテナ、電波塔へ向けることになります。電波塔から遠くて受信電波が弱い地域では素子数の多いアンテナを使います。 以上、簡単に地デジアンテナをご紹介しました。地デジアンテナの性能を示すものとして、「20素子」や「26素子」、「27素子」を聞くかと思いますが、それらのイメージがしやすくなれば幸いです。